明治のころの扇田祭典風景 其三

名古屋市文化財 長母寺蔵

撮影 山田福男

御旅所について

昔からついこの間の昭和の中頃まで神輿の巡行には御旅所といって神さまのおやどがあり巡行途中昼食をとるところとして一行が休み神酒をいただく所があったもので(大館では今でも実行している)扇田の場合は御旅所を務める家が七軒あった。この七軒以外の人は務める事が出来なかったものだ。

大正年代にこの事が問題となり、希望者は神社に願書を出し神社では総代・御旅所有資格者・町の町長等が合同会議を開きその可否を決める事となり、そのため特別御旅所というものが出来たものである。

御旅所資格者七人の氏名

  • 宮嶋 金助
  • 長岐 三八郎
  • 明石 文治
  • 西島 市五郎
  • 明石 萬助
  • 麓 貞吉
  • 荒谷 伍助

特別資格を得た家

  • 緑川 賢策
  • 長岐 興助
  • 木村 三治
  • 菅岩倶楽部

此の制度も戦争のため物資不足となり、いつとはなく自然消滅したもので今は行われていない。

何しろ百人以上の賄いなので物があっても現在の社会情勢では復活も至難である。